エンジニアのスキルレベルの定義とスキルレベル別の年収を徹底考察

スキルレベル別の年収・報酬の検証・考察

スキルレベル定義

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現在のスキルレベルの評価について

エンジニアのスキル評価はとても難しい問題です。 例えば、Ruby(経験1年)であっても、Pythonを十分に扱えるエンジニアがRubyを始めた(経験1年)と、Ruby からエンジニアを始めた人の(経験1年)のレベルは圧倒的な実力差があります。

今回は、スキルレベルの表記やどのようなスキルを上げれば報酬も上がっていくのか等、IPA(情報処理推進機構)や経産省、また厚労省が出しているデータ等からエンジニアのスキルレベルと報酬について検証・考察して、少しでもエンジニアにとっての指標となればと思います。

スキルレベルの評価方法について

フリーランスの案件求人を見ると(言語:〇年以上)等の条件をよく見かけます。しかし、経験〇年では、正具体的なスキルレベルのエンジニアがくるかわかりません。 そこで、エンジニアも求人・発注側のお互いが共通認識を持てるよう、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)と経産省[スキル標準レベル別の平均年収]の調査結果をもとにスキルレベルについて言語化した表記についてみていきたいと思います。

表1:ITスキル標準はやわかり
表2:スキル標準レベル別の年収の平均のレベル説明文

図1と図2を照らし合わせると、図1のIPAの(レベルの評価と概念)の[レベルの評価と概念]もとに図2(スキル標準レベル別の年収の平均:スキル別説明文)が作成されていることがわかります。 では、上記のようにスキルレベルを上げると年収はどのよう上がっていくのか調査結果を見ていきましょう。

Point

表1[レベルの評価と概念]が表2のレベル説明文に適用されている

エンジニアのスキルレベル別の年収上昇率

表3は、[25歳~55歳]のIT企業を対象におこなったスキル別の年収平均です。

表3:スキル標準レベル別の年収の平均

表3からスキルレベルが上がる事によって、**レベル4の指導できるレベルから一気に年収がアップしている事がわかります。**では、[年齢別の平均年収]と比較するとどの程度の差がでてくるのか。 [賃金構造基本統計調査(厚労省)]と比較して[レベル別の平均年収]との差をみていきたいと思います。

Point

レベル4の指導的できる立場なる事で年収の上昇率が一気にUPしている

[スキル別年収]と[平均年収]の比較

表4は、表3の[スキル標準レベル別の年収の平均]と[賃金構造基本統計調査]の年齢別の平均年収を比較した表です。

表4:[年齢別年収]と[スキル別年収]の比較表

比較表をみてみると、3つのポイントが見えてきます。 1点目が、レベル1(新人)の年収が437万円(25~29歳水準の平均年収)と新人で高水準の年収である点。 2点目は、スキルレベル4の指導できる立場から、大きく年収が伸びている反面、年齢別年収の[40-54歳]の3段階で、ほぼ年収が伸びなていない点。 3点目は、スキル別年収[レベル3]と年齢別年収[35-39歳]までが、ほぼ同一の値となっている点。

以上の結果から2つの調査結果の対象が同一指標(25~55歳、IT企業、平均年収)を扱っており、管理する立場から報酬が変わっていることからも、2つの調査結果は比例していると考えられます。

Point

① レベル1(新人)の給与水準が437万円と(25~29歳の平均水準クラス)と高い ② レベル4の指導できる立場から一気に年収差が広がっている ③ レベル3まではほぼ同水準の年収である

エンジニアのスキルレベルの定義

スキルレベルの調査結果が25歳~が対象であった事から、レベル1(新人)の年収が比較的高めの水準となっていた為、ここでは20~24歳の平均年収をレベル1の前のクラスの[新人]として設定**。 IPAの[レベルの評価と概念][IT標準スキルのレベル説明文]を参考に以下に再定義しました。

まとめ

以上、IPAのスキルレベルの定義と経産省の標準レベル別の平均年収、厚労省の[賃金構造基本統計調査]を元にスキルレベルについてみてきました。 スキルレベルについて、どのようなスキルを積めば年収や昇給に繋がるかがみえたと思います。

この内容を基準に、今後はそれぞれの言語や職種等について、スキル別の年収・報酬を検証していきたいと思います。

正社員であっても、フリーランスであっても、エンジニアがどのようなスキルを身に着ける事にで、どの程度の昇給・報酬につながるのか等が少しでも基準として参考になる記事になっていけばと思います。